リハビリナビゲーター

その他のツール

PROJECT

リハビリナビゲーターでは、今後様々な作業療法のデジタルツールと連携していくことを計画しています。その一端として、e-PegとSRアプリについてご紹介します。

e-Peg  – 電子ペグボード

e-Pegは、認知機能・上肢機能の両方の機能へと働きかけるリハビリテーションツールです。臨床現場で長年利用されているアナログのペグボードに音と光を付加することで、色を識別させる課題を提供したり、即時のフィードバックを提示したりすることが容易であるため、練習内容や難易度にバリエーションを持たせることが可能です。そのため、モチベーションの維持、さらには集中力の向上が期待できます。また、各施行のログデータを内蔵メモリに記録することで、使用者の反応時間や誤りの内容を特定し分析することも可能です。

将来的に、カメラによる姿勢推定と連携することで、使用者の動作遂行時の円滑さや姿勢の対称性などを捉え、より詳細な動作上達に関する判定や動作指導に役立つフィードバックを実現できるよう取り組んでいます。

特許

認知機能及び手指運動機能の評価訓練用の電子ペグシステム(特開2020-178851)

成果報告

  • 「動作推定を用いた上肢機能評価モデル作成の試み」,鈴木賢人, サントスルシアーノ, 劉暢, 植嶋大晃, 山本豪志朗, 岡橋さやか, 平木秀輔, 杉山治, 岡本和也, 黒田知宏,第60回日本生体医工学会大会,2021年6月
  • 「上肢・認知機能訓練用e-Pegの開発:第2報」,坂本憲太, 山口太郎, 内海潤, 岡橋さやか,第64回システム制御情報学会研究発表講演会,2020年5月
  • 「上肢・認知機能訓練用e-Pegの開発」,坂本憲太, 岡橋さやか, 熊坂圭祐, 山口太郎, 内海潤,ヒューマンインタフェースシンポジウム2019,2019年9月

SRアプリ – 間隔伸張法アプリ

従来、病院のリハビリ室で行われていた記憶のリハビリテーション方法の一つにSR(Spaced Retrieval)があります。これはエラーレスで、覚えたいターゲットとなる情報を保持して想起する時間間隔を徐々に伸ばしながら定着させる方法です。このSRをタブレット端末で行うことのできるアプリを開発し、セラピストが付き添える環境のみならず、自宅や福祉施設でも手軽に記憶のリハビリに取り組むことができるようにしました。さらに、想起するまでの時間帯にパズルや計算などのゲームをしながらSRを遂行できるようにしたため、モチベーションを低下させることなくリハビリの継続が可能です。

既にiPadで利用できるアプリを開発済みであり、今後はサーバーと連携したクラウド版SRアプリとして改良していく予定です。

成果報告

  • 「間隔伸張法に基づく記憶トレーニングのためのアプリケーション開発」, 渡邊勇輝, 大塚日花里, 澤田砂織, 劉暢, サントスルシアーノ, 山本豪志朗, 岡橋さやか,第60回日本生体医工学会大会,2021年6月